一般社団法人あおぞらベース主催
アドベンチャー教育
実践講座
子どもの変容を見取り、自らも変容する
講座について
アドベンチャーは、
活動ではなく、プロセスだ。
アドベンチャー(冒険)をはじめて青少年教育に導入したのは、Outward Bound School(OBS)だと言われています。OBSでは、人は不確実な自然環境の中での挑戦を通して成長すると考えられてきました。その後、OBSの考え方を学校教育の中へ導入したのがProject Adventure(PA)です。
「アドベンチャーには人の成長を促す力がある」と言われます。野外プログラムや課題解決型のアクティビティには、それ自体に人の成長を促す強烈な力があります。しかし、どのような活動をどのようにしてやるのかということだけではなく、その体験の中で、子どもたちに何が起きているのかを見取り、どう関わっていくのかを子どもの目線で模索し、一人一人の子どもの成長を信じてやまないファシリテーターとしてのあり方のほうがはるかに大切なのです。
- 挑戦し、
- 迷い、
- 葛藤し、
- 仲間と関わりながら、
- 少しずつ変容していく。
アドベンチャー教育とは、その変容のプロセスに寄り添い、伴走する教育実践です。まず大人自身がアドベンチャーを体験し、自らの変容を実感する——本講座はそこからはじまります。
私自身のエピソードをひとつ紹介します。
私がプロジェクト・アドベンチャー(以下PA)に出会ったのは今から26年前です。前年度に学年崩壊を起こした6年生を、私と若い2人の担任団で受け持つことになりました。この子たちにいったい何をすればいいのだろうと悩んだ私たちは、神田の大型書店に出向き、学級経営について書かれた教育書を片端から読み漁り、最後の最後に1冊の本に出会いました。それがPAについて書かれた本だったのです。私たち3人は、その本を片手に、そこに書かれていたアクティビティを解説通りに子どもたちにひたすらやり続けました。その1年間は大きな事件?もなく無事彼らは卒業していきました。
「PAすごい!ちゃんと学びたい!」と思った私は、卒業式後の春休みに、PAJ(プロジェクト・アドベンチャー・ジャパン)主催の講習会に参加しました。5日間のプログラムを体験していく中で、私はPAのことをまったく理解していなかったことに気づきます。そもそも「アドベンチャー」というものについても。本を読むだけでわかったつもりになって実践していましたが、体験を通してはじめてその本質に気づくことができました。
さらにもうひとつ大きな気づきがありました。それは、体験を通して自分が大きく変容していったということを実感できたことと、トレーナーはその変容に対して、指示的、指導的に関わっていなかったということです。トレーナーは一人一人やグループの様子を見取り、効果的にアクティビティを組み立て、活動後は振り返りの場をつくりました。その中で私たちは自分(たち)の力で自ら変容していったのです。私たちの成長に伴走し、「あなた(たち)には力がある」と信じて私たちのそばに立っていました。「ファシリテーター」というあり方にはじめて気づいたのです。
それまでの私は、「子どもは未熟だから、先生である私が教え導いていかなければいけない存在」だと思っていました。でもこの体験を経て、「子どもは有能で、自ら成長していく力がある」と思うようになりました。自分の教育観が大きく変化していったのです。
OBSの野外プログラムや、PAのアクティビティを見よう見まねで行うことがアドベンチャー教育ではありません。ファシリテーターとして、あなたがどのような人であるのか。子どもをどのように見ているのか。挑戦や失敗をどのように捉えているのか、それこそが最も大切なことなのです。
ねらいと対象
学ぶこと
アドベンチャー体験を通して自己理解を深めるとともに、子どもの主体的な学びと成長を支えるあり方と実践を学ぶ。アドベンチャー教育の理論と実践を、子どもの見取りや学びの場づくりに生かすことを目指す。
対象者
私たち「あおぞらベース」の2人には、野外で行うアドベンチャープログラムの指導スキルやガイドスキルは「ブッシュクラフト」や「PAのロープスコース」ぐらいしかありません。クライミングや登山、沢登りなどで必要とされるハードスキルは持ち合わせていませんので、本講座ではそのような指導スキルは学べません。
私たちの強みは、子どもたちの学びの場(主に学校)でアドベンチャーを取り入れて実践してきた経験値とそのファシリテータースキルをもっているということです。そこだけは誰にも負けません。
参加者のみなさんと、みなさんの教育現場で待っている子どもたちにアドベンチャーの魅力を届けるために、多様な学びの場をつくっていきます。
コース
2つのステップで学ぶ
Step 01 ベーシックコース
学習内容
- アドベンチャーとは/アドベンチャー教育とは
- OBSとPAの思想と理念
- Challenge by Choice
- 体験学習サイクル
- 自然の中で学ぶ(ブッシュクラフト体験)
- リフレクションと分かち合い
- 安全管理の基礎
オプションプログラム(任意)
- ・アドベンチャー教育について(OB、PA等)
- ・アドベンチャーウェーブ
- ・経験学習サイクル
- ・GRABBSS
- ・アクティビティのチョイス
- ・シークエンス
- ・プログラムデザイン
- ・フレームワークとインストラクション
- ・観察と介入のレベル
- ・問いかけのスキル
- ・コンテントとプロセス
- ・振り返りと分かち合い
- ・学校教育の中でのプログラムデザイン
Step 02 アドバンスコース
学習内容
- プログラムデザイン
- リスクマネジメントとリスクコントロール
- 子どもの見取り、観察
- ファシリテーションと介入のレベル
- 発達理解
- 主体性と自己効力感
- プロセスとコンテント
- 振り返りと分かち合い
- 一緒に冒険するということ
フィールドラーニング(アドバンスコースに含む)
アドバンスコースの一週間前、実際に子どもたちがアドベンチャーを体験しているキャンプの現場に立ちます。子どもたちの挑戦・葛藤・成長に伴走し、見取りを実践。そして翌週、参加者だけでじっくりその体験を持ち寄り、伴走について深めます。
スケジュール一覧
この講座で得られること
変わるのは、見え方だ。
この講座を終えたとき、自然体験活動の指導技術が身についているわけではありません。しかし——
子どもの成長を信じ、変容のプロセスに伴走する自分なりの「あり方」と「やり方」はどうやって身につけるのか——「見え方」が変わればおのずと方向性が定まってくるはずです。
伴走支援
学びを実践につなげる
個別伴走支援
アドベンチャー教育は、講座で学んで終わりではありません。大切なのは、それぞれの現場で実践してみることです。アドバンスコース修了後、希望者を対象に個別伴走支援を行います。
子どもが経験することはすべてアドベンチャーに変えることができます。私たちはアドベンチャーの「やり方」を伝えるだけではなく、その実践を支えるあなた自身の「あり方」についても共に考え続けます。
講師
講師紹介
元学校法人軽井沢風越学園副校長。東京都公立小学校にて27年間勤務。体験学習コミュニティ「西多摩PACE」主宰。プロジェクト・アドベンチャー(PA)の国内普及に尽力し、著書『学級ゲーム&アクティビティ100』他、多数。風越学園入職後はアウトワード・バウンド(OB)の考え方をベースにしたアドベンチャーカリキュラムの作成を今も継続中。「子どもは誰もが有能で主体的に学ぶ存在である」という信念のもと、体験とふりかえりを通した学びの場づくりを続けている。
お申し込み
参加申し込み
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